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ミュージカルの本場に行ってみた第2弾: ムーランルージュ

ミュージカルを観て気になって本場に行ってきた第2弾!1ヶ月ほど前にウエストエンドでミュージカルのムーランルージュを観て、実際のを観てみたいと思い、フランスはパリのムーランルージュに行ってきました。ミュージカルの感想と、本場で観たショーの感想を両方書いていきます。

 

目次

 

ウェストエンドミュージカル・ムーランルージュの感想

ウェストエンドのピカデリー劇場

まず真っ先に思ったのが、SHOCKみたい!バックステージもので、ストーリーというよりもショー要素が強いのがかなりジャニーズ舞台っぽかった。なのでストーリーに感動するというよりは、次から次へと有名な曲!色んな見せ場!豪華!!という感じだった。感情移入という意味では、主人公よりもライバル役に感情移入してしまうという意味でもSHOCKと似てる(私だけ?)。曲としてはBecause We Canが漫才の出囃子で使われているのが有名だけど、私はLady Marmaladeを聞いて嵐にしやがれ〜!とテンション上がった。JERSEY BOYSを見た時にタモリ倶楽部のオープニング...!と気づいた時と同じ感覚。

ジュークボックスミュージカルはやはり米英で観るに限る!歌の声圧が段違い。日本のミュージカルスターは何人もいて皆「器用で歌が上手い」けど、声の迫力がある人はいないなーと思う。特に低音をしっかり響かせられる人。そして演者のダイバーシティにもいつも驚かされるし、それがさらに迫力を増す。私が見た回のサティーンは黒人系の小柄な人で、他の出演者も色んな人種、見た目の人が出ていた。そのパフォーマンスに呼応して観客も拍手で歓声で指笛で盛り上がるのが、またこちらもテンションが上がる。

ストーリーでは、ずっと部屋の内側にいていつもハートの窓の外から人を迎えるのみだったサティーンが、初めて世界が回転して窓の外側に行き、窓を通して見るのみだったエッフェル塔に2人で登るの良かった。そうやって世界が回転しないと、クリスチャンとは一緒になれないんだよね。たった1日でも。切ない...。ただ結局なんでサティーンがクリスチャンを愛したのかはそこまで腑に落ちないんだよな、曲が良かったという1点なんだろうけど。

キャラクターではサティーンのライバル役、ニニが良かった。ニニとサンティアゴの掛け合いは完全にサイドストーリーとして独立して語られるし、有名曲をやるうってつけの口実になるわけだけど、でも結局あの場面が1番盛り上がってた気がする。スターになれないからこその劣等感、上へ上へ這いあがろうとする生命力。エロさに衒いがない、大胆ででも下品じゃない、振り切ってるからこその迫力ある魅力。ニニがサティーンの病気に気づいて気遣ったりあの男には気をつけなって忠告するところ、百合だよなー。

演出ではサティーンが上からブランコで降りてきたり、ワイヤーに腕をかけてくるくる回ったり、4人で1人の四肢を持って飛ばすアクロバットをしたり(名前が分からない、成人男性でこれやるの迫力すごかった!)、メインの演出をしている後ろで他の芸をやって目が足りなかったり、シーンでは楽屋での喧嘩とかステージ後の打ち上げがあったり、SHOCKとジャニアイの合いの子っぽかった。

 

本場パリのショー・ムーランルージュ

ショーの感想

観光バスの2階から身を乗り出して撮った、割にはうまく撮れたと思う

まず建物に入った瞬間からレッドカーペットにお出迎えされてテンション上がる!観客も皆ドレスアップしていて、それを見ているだけでも楽しい。全身スパンコールのドレスの軍団は1番前に案内されていた。全身ショキピンの軍団もいたし、ぴたーっと体のラインが出るドレスや、ほとんど胸出てるやんっていうドレスの人もいた。観客でさえ、ステージ衣装のよう!

とにかく華やかで盛りだくさんですごく楽しかった!!おもちゃ箱をひっくり返したようで、ジャニアイとか好きなら絶対好き。すごく似たものを感じた。意外と振りのシンクロ率とか一つ一つの完成度はそこまででもなくて、それ以上に数で畳み掛ける。その中でたまに超クオリティ高い芸を見せる。この辺の洗練されきってはいない感じがまさにジャニーズ舞台っぽかった!
クロバット!群舞、体形移動!コーラスライン!サンバ!WSSを彷彿とさせるジャズダンス!1945年アメリカのTVショー!色んな要素満載のショーがオムニバスっぽく次から次へと展開する。ただこの繋ぎがねー、ずっと暗転だったりしばらく時間かかったり音楽もぶつ切りだったり、ジャニーズの方が「1秒たりとも飽きさせない」っていう繋ぎの工夫はしてるなと思った。

特に大技の見せ場は3つ。
1つ目は狭い円形の台に男女2人がローラースケートで様々なリフトを見せる。アイススケートのようなんだけど、それよりも技の難易度が凄かった!お互いに首にワイヤーをかけて両者とも手を離した状態で男性が女性を回す、など。技のトランジションに少し時間がかかるから「こういう技なんだろうな」っていうのは正直予想がつくんだけど、それでも成功させると本当にびっくりする。
2つ目はエッフェル塔に見立てた高い台の上に球を置いて、その上に板を置いて立ったり逆立ちをしたり、バランスを取る芸。これも凄いんだろうけど、盛り上がりは他の2つほどではなかったかな…
3つ目はタンクトップのムキムキの男性2人組で色んなアクロバティックなポーズを取る。ギリシャ時代っぽいものを感じた。腕の筋肉だけで相手の肩の上で逆立ちをしたり。一切グラグラせずに安定感がすごくて、トランジションもゆっくりでスムーズで美しかった。これも大歓声がすごかった!!

最後のカンカン(天国と地獄)は当たり前に盛り上がる。スカートの中の模様を見せつけるようにたくしあげる。ただ足上げラインダンスは無かったなー、似たダンスはあったけど、全員が一列に並んであの曲のリズムに合わせて足を上げるのは無かったように思う。確かにビシッと揃ってはいないんだけど、一人一人の足上げはしっかり全員上がってて気持ちよかった!1番の見どころなだけにね。

ステージは意外と狭くて、最後の方に階段が現れるんだけど、それはちょっとちゃちかったかなーー。宝塚みたいに大階段を大きな羽根を背負って降りてくるのかなって思ったけど、そこまでの迫力はなかった。羽根も出てくるんだけど、衣装は全体的にそこまでクオリティは高くなかった感じがした。ジャニーズの方が豪華で繊細。

しかし女性ダンサーはほぼずっとトップレスなのは驚いた… 実際に観に行った人の感想を読んでいたのでそういう場面があるのは知ってはいたけど、てっきり最後にちょっとだけかと思った。

 

女性1人で行っても大丈夫かという点

アジア系、若い、女、1人、華美な格好、深夜、治安悪い場所(ムーランルージュだけでなく、ホテルの場所も治安が悪かった)、シャンパン飲むっていう避けるべき要素ばかりの状況で、絶対人に話したら止められるような条件でしたが(なので行ったことは親にも言ってない)、結果的に全く危ない目に遭わなくて良かったです。できる限りのリスク回避策をしたけど、最終的には運が良かったからだと思います。なので決してお勧めはしません。ということを踏まえた上で、私の経緯を書いていきます。

そもそも一緒にパリ旅行してくれる人がなかなかいないし、ましてやムーランルージュを一緒に観てくれる人なんてもっといないので、1人で行ってきました。価格と時間帯と内容と治安の観点から、家族とも友人とも行きづらい…。現地の知り合いに初めてパリ旅行に行くという話をしていたら、こちらが言うよりも前に「日本人ってムーランルージュに行きたがるよね」と言われたので「私も予約した」と言ったら、怪訝な顔をされました。現地ではそういう感じなんだろうなー。

私が行こうと思い立った時には公式では売り切れていたので、夜のバスツアーとセットになったGetYourGuideのツアーで申し込みました。会場全体を見渡しても1人客は他に見なかったです。アジア系の人も1組見たのみ(中国系のカップル)。始まる前は場違いかなとか帰りも遅くなるのに危ないかなとか思いましたが、結果的には行って良かったです。行きはバスツアー、帰りは予めUberを予約しておきました。ドアドアで行けるので良かったです。道端でおじさんが薔薇を渡してこようしたりとかはあるけど、無視すれば全然OK。

それよりも時間にひやひやしました。私は23〜25時の第2部で(21〜23時の第一部は売り切れていた)、開演前に25:20にUber が着くように予約していたのですが、ショーが始まったのは23:40。終演が遅れてUberがキャンセルされたらどうしようと気が気ではなかったです(こっちでは5分過ぎると自動的にキャンセルされて、実際利用した時と同じくらいのキャンセル料を取られる)。そうするとその場でタクシーを拾うか深夜にUber手配して待つかしないといけないし、40ユーロ余計にかかるし…と思っていました。結果ショーは25:16に終わり、ほんとはまだ拍手して余韻に浸っていたいところを客電がついた瞬間に飛び出て、運良く車の場所もすぐ見つかり、予約時間ちょうどに乗れました。終演が延びてキャンセルされるよりは終演後会場で少し待つ方がいいので、Uberを手配する際は少し遅めに設定することをおすすめします。

服装は、綺麗めワンピで行きました。席着くまではコートを着てるから結局隠れちゃうんだけど。速攻で出たかったので、クロークには預けていません(預けていない人の方が多かった)。ドレスアップしている人が多いとはいえ、カジュアルな格好の人もそれなりにいました。

席は後ろの方でしたが、段差があったので問題なく見れました!正直それを1番気にしていたので、無事見れて良かった。逆にそれくらいの距離感の方が生々しすぎなくて良かったかもと思いました。前に並んでいた若いカップルと一緒に案内されたのだけど、私のせいで後ろの方の席になっちゃったかな…と少し申し訳なく思わなくもなかったです笑

シャンパンはグラス1/4くらい飲んだかな。他の人もそんなに飲んでなかったです。しかし夜遅い、移動や観光や前日までの蓄積で疲れてる、お酒が入ってるのでめちゃくちゃ眠かった。途中何度か寝そうで危なかったです…

 

最後に

私はショーが好きなので行って良かったです。ただ人によっては下品に感じるかもしれないし、クオリティが高く感じない、値段に見合わないと思うかもしれません。普段からショーを見慣れていて、ムーランルージュがどんなものか体験したいという方(期待外れでも勉強代と思えるメンタリティを備えている方)には良いと思いますが、しっかり元を取りたいという方にはコスト・リスクとリターンが見合わないかもしれません。以上、行くか迷っている方の参考になれば嬉しいです!